『私は超低出生体重児(超未熟児)の母親』から続いている私の出産育児の体験談です。色々と質問を受けて過去の記録や記憶から掘り起こしてブログに残しています。
今回は早産を経験したママは避けて通れない帝王切開について書こうと思います。全然良い思い出はなく、痛みに弱い私には忘れられない壮絶な帝王切開の体験談となっています。
早産と帝王切開
先に言っておきますが、脅すわけではないです。あくまでも私の体質が故の帝王切開体験談ということをお伝えしておきますね。
前回の体験談『こども医療センターNICUで超低出生体重児(超未熟児)を出産!』では、いよいよ手術室に向い帝王切開で危険な状態の赤ちゃんの出産を決意するというお話をしました。
切迫流産・早産で入院していた頃から赤ちゃんが小さいと通常の経腟分娩のように産道を通って産むことは難しく赤ちゃんと母体の安全を確保するために帝王切開になるという説明は受けていました。
私の認識では、早産での出産はみんな帝王切開だと思っていたんですが早産でも経腟分娩で生まれる赤ちゃんもいるんです。
でも、私の場合は低置胎盤だったため分娩時の出血のリスクが高く有無を言わさず帝王切開になりました。赤ちゃんにとって安全な方法が一番ですからね。
同じ早産児のママの中には、経腟分娩で赤ちゃんを出産する方もいるようです。中でも驚いたのは、幸帽児で出産したママでした。
早産児には見られることのようですが、出産のリスクを考慮して敢えて幸帽児で産んだのかなぁ。そもそもそんなこと人工的にできるものなのか。もーとにかくすごい!
えっと、幸帽児とは、赤ちゃんが卵膜に包まれたままの状態で生まれることでとてもめずらしいことなんだそうです。
幸帽児は別名で被膜児と呼ばれます。別名の通り、縁起の良いことなんですね。
私の方はというと、転院してからあっという間に出産になってしまった為、帝王切開についてはほとんど説明らしい説明もなくお腹はどのくらい切るのか、麻酔の方法など何も分からないことだらけでした。
帝王切開の方法は、早産の場合には赤ちゃんのストレスを避けるために縦切開になるそうです。また、前置胎盤や上位胎盤早期剥離などのように大量の出血や緊急性が高い場合には縦切開になるようです。
大事な赤ちゃんのためにはお腹の傷がどうとか言ってられないなと覚悟を決めましたが、手術後、担当した先生(女医)が、「傷が大きく残ってしまったら可哀想だから横切開にしておいたよ」と言ってくれました。
えっ、優しすぎるっ!これも先生の腕がいいからできたことなんだと後で看護師さんが教えてくれました。
これは余談ですが、神奈川県立こども医療センターの産科の手術はとても上手いと他病院の先生から聞きました。縫い方もとてもきれいで月日が経てば跡がほとんど目立たなくなるらしくて、どこまで患者想いなんだと感無量です。
9年経過した現在の傷はわずかに薄っすら残っている程度です。よく見ればという感じで色も肌色で目立っていません。
麻酔が効かない!帝王切開での出産は痛みとの闘い
帝王切開は部分麻酔で行われます。私は、体質なのかあまり麻酔が効かないんです。
子どもの頃も全身麻酔で手術を受けたことがあるのですが手術終了と同時に目が覚めて驚かれました。
これまで何度か部分麻酔も受けましたが、ほんと痛いんですよね。痛いですって騒いでもそんなわけないとか言われたり、、麻酔には良い思い出がありません。
そこに帝王切開って不安しかない。
そして不安的中。
脊椎麻酔で下半身に麻酔をかけるのですが、効かない。やり直しで2回も脊椎に注射をされてもほとんど聞いてなかったと思います。
麻酔のが効いてるのかの確認で足が自力で動かせるかを聞かれるのですが、動かせちゃう。そもそも麻酔が効く仕組みは解明されていないんだよね。
あまりの恐怖で「全身麻酔にしてくれませんか」と聞いてみましたが麻酔科の先生に赤ちゃんに影響を及ぼすからできないと言われ、これ以上の麻酔の投与が不可、赤ちゃんのリスクのためにも時間に猶予がないと麻酔が効いてるのかわからないまま帝王切開の手術が始まりました。
手術台に両手首を固定されゆっくり台が動き始めると同時に全身から出る冷えた汗を感じ、これからどうなってしまうのかと恐怖に震えました。
いよいよ手術が始まる時に麻酔科の先生に「好きな音楽かけようか?」と声をかけてもらったのですが、さっき病院に来たばかりでCDとかないし、そもそも私がこんなに背中の痛みと恐怖に耐えてるのに何呑気なこと言ってんだと呆れていました。
ですが、きっとこれは先生なりの気遣いだったと思うし(一体どんだけ私は不安な顔をしていたんだと思いますが)痛みと恐怖が紛れるのなら音楽とかあった方がよかったかもしれない。
きっと、はじめからこども医療センターに通院していればバースプランとかいろいろあったのかなと思います。
いざ手術が始まると意外に痛みがありませんでした。お腹を切られている感覚もなく余裕さえありました。
しかしそれもつかの間、えっ、えっ、と思う間に痛みが襲ってきました。手術時間は40分。時間は見ていないので不確かですが、中盤から麻酔が切れた感覚です。
ほんっとに痛い。痛いってもんじゃない。
体は拘束されてるしお腹(みぞおち辺り)をぐいぐいえぐられている痛みでもなす術がない。とりあえず手に触れるもの(ガーゼを入れる銀のトレーみた愛いなの)を落としてみたり。
あまりに叫び暴れるから(手だけ)看護師さんに抑えられ、もう少しだから我慢してって言われても無理!
あまりの痛さに途中意識を失くしました。そのまま意識がなくなってくれたらよかったのにまた目覚めるものだからまた地獄を味わいます。
「赤ちゃん出るよ」先生の合図とともに慌ただしく動くスタッフ。意識を取り戻したばかりの私でもこの誕生の瞬間はハッキリ覚えていています。
この時には新生児科の先生たちも手術室にいたんだと思います。お腹も縫合されていなかったはずなのに、不思議とこの時だけは痛みを感じることがなく、息子がNICUに行く前にほんの少しだけ姿を見せてもらい見送ることができました。
「子犬かな…」
泣くこともなくあまりにも黒く小さな息子との初対面はそんな突拍子もない感想でした。
「ママ、頑張ったね。痛かったね。すぐに全身麻酔するね」顔にマスクを当てられた私は再び襲ってきた地獄の痛みと疲労から逃げるように大きく息を吸い深い深い安堵感に包まれていきました。
真っ暗闇で周りを見渡しても光さえもない中、「楽にしてやってください」遠くに聞こえる夫の声。私はとうとう痛みで死んでしまうのかと思いました。でも次の瞬間、生きてることを実感させられました。
「ママさん、お尻から痛み止めの座薬入れますね」
***
私の帝王切開の痛みは今までに経験したことのないものでした。経腟分娩も痛いし辛いけど、痛みの度合いが違うし、もう二度と経験したくないです。
この先、病気で手術することになったらどうしようと不安しかありません。リサーチすると痛い派も結構いるんですよね。
でもこれはやってみないとどうなのか分からないのが辛いところ。私みたいに普段から麻酔が効きにくい人は要注意かもしれません。
私の義理姉は帝王切開で双子を生みましたが「こんな楽な出産ないわ」と笑っていて羨ましく思います。
世の中には帝王切開は母親失格、帝王切開は出産じゃないとか色々と批判を言う人がいますが私の実体験で感じたことは、経腟分娩も帝王切開も命がけっていうこと。母子共に命の尊さは変わらないってことです。
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